WORKS

『VOYAGE』ストーリー

鞄のプロフェッショナル
「銀座タニザワ」

創業明治7年(1874年)の銀座老舗鞄ブランド「銀座タニザワ」。1951 年、アメリカの平和使節団の一員として日本を訪れたジョン・ F・ダレス氏が持っていたバッグにヒントを得て、タニザワが考案した鞄が「ダレスバッグ」です。貫禄のあるその優美な佇まいは、本革鞄を愛する本物志向の人々に愛され続けています。 そのような素晴らしき歴史を持つ「銀座タニザワ」の初代谷澤禎三氏は、「革」と「包む」 の2文字から「鞄」という国字を発明しました。 1890年に「鞄(かばん)」の文字をお店の看板に掲げたところ、これが銀座を通られた明治天皇のお目にとまり、侍従職を通し「何と読むか?」との御質問を受けます。これをきっかけに「鞄」の字が全国に広まったと伝えられています。

「革」と「包む」を現代版に再解釈

「銀座タニザワ」の歴史は連綿と受け継がれ、当代谷澤信一氏は四代目となります。SINCE1612は、「鞄」という国字が一企業により考案されたものというエピソードに大変感銘を受け、「銀座タニザワ」 の歩みやスピリットをより多くの世代にお届けしたいと考えました。 初代谷澤禎三氏が「革」と「包(つつ)む」の2文字から 着想を得たように、現代の社会環境に合わせて「革」 と「包む」の2文字を再解釈し、「革」を「包(くる)む」という観点から、新たなプロダクトを四代目谷澤信一氏と共に創り上げることになりました。

「旅行」=「未来への希望」

「革」を「包(くる)む」ことで完成したのは、携帯式レザートレイ『VOYAGE(ヴォヤージュ)』です。 『VOYAGE』は、フランス語で「旅行」という意味。コロナ禍により世界中で移動に制限が掛かっている現在、「旅行」は「未来への希望」を意味するワードに変化し始めているように感じます。本作は、旅行先に持っていってもらうことを想定し製作しました。 コロナが収束し、世界中自由に旅行できる明るい「未来への希望」が込められています。 そして、旅行先へ携帯しやすいように、トレイ本体を付属のレザーストラップで巻物のように「革」 を「包(くる)む」仕様になっているのです。 130年以上前の初代谷澤禎三氏をオマージュし、四代目谷澤信一氏と新たに考案したレザートレイ『VOYAGE』。時代は変われど、新しいモノを生み出す初代の創造的な精神を紡いでゆきます。

革靴のスペシャリスト
「マドラス」による抗菌加工

昨今の社会環境の変化に対応していくため、老舗紳士靴ブランド「マドラス」は自社革靴用にレザーへの抗菌加工技術(※)を開発しました。実は、『VOYAGE』の最終工程は、「マドラス」のレザーへの抗菌加工です。お客様に安心・安全に製品をお使いいただくために、抗菌加工作業は一つ一つ手作業で行うことが「マドラス」の品質へのこだわりです。同じレザー製品業界でも、鞄と靴で今までは混じり合うことのなかった「銀座タニザワ」と「マドラス」。SINCE1612を介し、三社で新たなものづくりの在り方を共創します。

※ 「抗ウィルス加工」「抗菌加工」共に、SIAAマーク認証取得済みです。